鳥巣郁美 詩論・エッセイ集
『思索の小径』
駅に向う蘇州園に沿う小道は、さし交わす枝で夏でもひんやりした、塀と石垣に挟まれたその一丁ばかりも疎水に沿い、なんとも落着いた佇まいを持っている。思索の小径と私はひそかに名づけて、朝夕歩いていた。
(一章 「御影の頃」 より)
(一章 「御影の頃」 より)
解説文:鈴木比佐雄 |
A5判/288頁/上製本 |
定価:2,160円(税込) |
発売:2009年9月17日
【目次】
Ⅰ 随想
住吉川ほとり 10
三本の車線 12
御影の頃 15
二月の雪 19
別れを告げたシロ 22
仁川橋あとさき 26
早とちりその余話 29
明治最終の人 33
オホーツクの海 37
焼きものに親しんで 41
秋の足音 44
雑草のある暮し 46
旋律ということ 49
秀太郎をめぐって 53
映画「夢」から 62
Ⅱ 論説
水脈に棲む葦 68
誘いの径 74
詩の領域 82
美の把握 ―虚と実と― 104
―集団の持つ旗と歌と― 120
―思想の昇華― 129
集団の中の個 ―自我の部分― 138
―権力のしくみ― 154
生きがいの行方 ―矛盾にみちたロマン― 173
闘争に至る意志の是非 192
運命の岐路 ―戦争の周辺― 208
教育という場の現実 ―学校と塾の役割― 223
原子力の行方は 242
Ⅲ 後期泡沫 ―「槐」誌通巻―
い 地獄は…… 246
ろ 人の急逝に…… 247
は 自然は…… 248
に 足立巻一氏が…… 249
ほ ひっそりと…… 250
へ 永遠を…… 252
と 平成元年に…… 252
ち もうかなり…… 254
り 能登…… 256
ぬ 亜騎保氏が…… 257
る 桑島玄二氏…… 259
を 正邪という…… 260
わ 印度もパキスタンも…… 262
か 津高和一氏が…… 263
よ 原爆ドームが…… 265
た 長野冬季オリンピックで…… 266
れ 人の妄想の…… 268
そ 北の海底に…… 269
つ 現代社会に人攫いが…… 270
ね 二〇〇三年末…… 272
な 平和を愛する…… 273
ら 昨秋九月マスード氏…… 275
む 様々な出遇いを重ねて…… 277
あとがき 282
著者略歴 284